先住民族が作る細かなビーズ細工「ウィチョールビーズ」[メキシコ]
メキシコの伝統工芸「ウィチョールビーズ」は、メキシコのハリスコ州とナヤリ州にまたがる、シエラ・マドレ・オクシデンタルという山岳地帯に住む先住民族「ウィチョール族」が作るビーズ細工のことです。このビーズ細工、とても繊細かつ緻密に作られていて、木などを彫って造られた動物やお面、お皿などに隙間なく色とりどりのビーズで埋め尽くされています。
旅マップ
神聖な儀式の中で、トランスしながら生まれる作品
ウィチョールビーズで描かれる独特な色彩を放つ絵の数々は、先住民のイメージそのものである「儀式」から生まれているそうです。ウィチョール族は、食べると幻覚作用があるサボテンを食べ、神の世界に近づく神聖な儀式を行います。サボテンの効果なのかどうかは定かではありませんが・・・トランス状態から見えたものをウィチョールビーズに描いているそうです。ちなみに、この幻覚作用のあるサボテンは「ペヨーテ」という名前で、ウィチョール族の人たちはこのペヨーテを購入するのではなく、片道約400km近くある砂漠まで歩いて探しに行くそうです。昔からの伝統を引き継ぎ暮らしている先住民族の人たちに太った人を見かけないのも納得します。もちろん現代ではウィチョールビーズを製作している人すべてが同様の手順で作ってるわけではありません。ウィチョールビーズのジュエリーやアクセサリーも世界中で人気があり、リーズナブルな値段で売られています。ウィチョールビーズを感じさせる写真
食文化
メキシコ料理は、先住民族であるアステカ族やマヤ族の料理から始まっているといわれていて、現在食べられるメキシコ料理は先住民族料理にプラスこの地を占領していたスペイン料理の影響もあるといわれています。この土地で採れるトウモロコシや色々な種類のトウガラシを使ったスパイシー料理が多いのも特長で、サルサやタコスなどはもう日本でも馴染みのある料理ですね。メキシコ料理は2010年に無形文化遺産にも登録されており、料理としての地位も確立している素晴らしい伝統料理でもあります。あとメキシコで忘れてはいけないお酒「テキーラ」もありますね。タバスコをかけてグイッとホットにです。



レストラン情報
美味しいタコスを食べるならココ「La Tomate Taqueria」
その名の通りテキーラがズラリと並ぶレストラン「La Tequila」
最後に
ブラジルやメキシコもそうですが、南米地域には先住民の人たちと同様の生活をしている人たちが少なくないように感じます。今回ご紹介したウィチョール族がつくったウィチョールビーズも、昔からの暮らしをほとんど変えずに生きてきたからこそ引き継がれたカタチ、デザインではないでしょうか。時代が進み新たに手に入る「ビーズ」という素材をつかって、昔から引き継いできた儀式から生まれた文様。日本にも世界にもまだ私たちが知らないだけの素晴らしい伝統が埋もれていることでしょう。メキシコはご飯も美味しい国なので、色彩鮮やかで暖かい場所が好きな方はぜひ訪れてみてください。