前回、釉薬(ゆうやく)についてご紹介いたしましたが、今回は前回に引き続き、釉薬の種類についてご紹介します。
一重に釉薬といっても、陶器用、磁器用やその中で、透明釉やマット釉薬、天目釉など様々な種類があります。
元々は各土地土地でつくられていた陶器たち。
その土地でとれる土や、木材からつくられた灰などを釉薬に用いており、それぞれに特徴があったことから、今ではそれをもとに色々な釉薬がつくられるようになっております。
元々、器の歴史として縄文土器などを見て通り、日本の器も元々は釉薬のかかっていないものでした。
先人たちが器ををつくっていく中で偶然、土などに含まれるガラス成分が熱で溶け出し、焼きあがった際に独特の光沢と色をだしたことから陶磁器においての釉薬の歴史がはじまりました。
ではでは全ての釉薬についてはご紹介できませんが、いくつか代表的な釉薬についてご紹介します。
「天目釉」
鉄を多く(約5%以上)含んだ、焼き上がりが黒色になる釉薬全般を天目釉といいます。
天目というのは中国浙江省の天目山という地名があり、この地で焼かれた焼き物が「天目釉」の由来となっています。
抹茶椀などにこの天目釉が使われることが多いです。
「透明釉」
こちらは仕上がりがガラスのような光沢の出る基本的な釉薬です。
土の色を活かす際に使われることが多く、本来の表面を〝コーティング″する目的で使われます。
「織部釉」
銅を着色剤とした美濃で焼かれた焼き物に使用され、青緑色に発色する釉薬です。銅が貴重であった昔の名残から、部分的に掛けつかわれることが多い釉薬です。
「貫入釉」
焼く際に土の収縮の影響より、釉薬の表面に柄にようにヒビがはいる釉薬のことを指します。
「色釉」
透明釉に着色料を混ぜてつかう釉薬のことを指します。
他にも釉薬には色々な種類がありますが、選ぶ釉薬によって陶器の印象が大きく変わってきます。
イメージした色と仕上がった際に色が違うことも度々ありますが、それもまた楽しいものですよ。
私自身、もっと色々な釉薬を知り、試していってみたいです。