銀細工職人さんが息づく街「ルケ」[パラグアイ]
南米パラグアイのアルゼンチン国境付近にある職人の街「ルケ」は、パラグアイの中でも伝統工芸の職人が多く住んでいる職人の街です。この街で一番有名なのが金銀細工で知られるフィリグラーナです。
(以前の記事:細かくて贅沢な金銀細工「フィリグラーナ」[ポルトガル])
旅マップ
フィリグラーナについて
フィリグラーナとは、非常に細い金銀の針金や小玉を変形させて作られる装飾品の事で、金や銀を使う事と職人の熟練した技術が必要なことから、とても高価なものでもあります。
金を使ったフィリグラーナが一般的なのですが、このルケで作られるフィリグラーナのほとんどは「銀」で出来ています。ルケの街にはあちこち銀細工の工房があり、直接フィリグラーナを購入できます。南米気質の明るい職人さんは作っているところを実際に見せてくれることもあり、工房の見学ができる場所も多いのです。
パラグアイハープの工房
また、このルケという街には銀細工のフィリグラーナだけではなく、スペインから伝わったとされるハープが変化したパラグアイハープ「アルパ」の工房もたくさんあります。日本でハープというと女性が演奏しているイメージが強い楽器ですが、パラグアイを始め南米では男性の演奏家が多い楽器なんだそうです。
銀細工にアルパと職人が元気な街ルケ。工芸や楽器に興味がある人はきっと楽しめる土地だと思います。
パラグアイの風景
食文化
パラグアイの食文化は、他の南米諸国と同様にお肉をたくさん食べるのが特長で、牛肉をよく食べます。調理方法は至ってシンプルで、お塩やコショウをふりかけローストすることが多いそうです。
お肉をたくさん食べるため、飲み物は血圧を下げる目的にマテ茶などのお茶類を飲むのが習慣になっています。お肉以外にはマンジョーカと呼ばれるお芋や、マンジョーカから作られたチパというパンを食べます。ちなみに、パラグアイ料理屋さんはほとんどないんです。



レストラン情報
アメリカンなピザを食べて満腹「La Casa Del Pizza」
お肉がメインの南米料理を楽しむ「La Palmera」
最後に
南米といえばサッカー、サンバ、タンゴなど体を動かす文化のイメージが強いですが、ルケのように銀細工やアルパなどの工芸を中心とした職人の街もあります。ヨーロッパから伝わった文化が独自の変化を遂げて、南米という地で花開いています。とても素敵な文化の継承です。ポルトガルでは今、フィリグラーナの職人が不足してきている現実もあります。どのような形であれ、後世へと素晴らしい伝統技術が残っていってほしいものです。皆さんもパラグアイへ訪れる際は、ルケへ足をのばして職人の技に触れてみてください。