なまはげ!?謝肉祭の終わりに開催される「ブショーヤーラーシュ」[ハンガリー]
ハンガリー南部の街モハーチで、毎年2月の謝肉祭の終わりに開催される「ブショーヤーラーシュ」は、ブショーと呼ばれる見た目は日本の「なまはげ」そっくりなお面をかぶった人々が街を練り歩き、民謡やダンスが披露するイベントです。
旅マップ
ブショーヤーラーシュの起源
ブショーヤーラーシュの起源は、2つの言い伝えがあるようです。
最も有力な伝承では、オスマン帝国によるハンガリー支配の下で、モハーチの住民は街を脱出し、付近の湿地や森の中でオスマン帝国の軍をやり過ごした。ある夜、住民らが火を囲って話をしているときに、ショカツ人の老人がどこからともなく現れ、「恐れるな、お前たちの生活はじきに良くなり、家に帰れる日が来るであろう。その時まで戦いに備え、武器をこしらえ、恐ろしい仮面をかぶって待つのだ。嵐の夜に、覆面の騎士が迎えに来る。」と話し、またどこへともなく姿を消した。住民らは老人の教えに従ったところ、数日後の嵐の夜に騎士が現れ、恐ろしい仮面をかぶってできるだけ大きな音を立てながらモハーチに戻るよう指示した。住民らはこの騎士の指示に従い、オスマン帝国の兵士らはその大きな音と恐ろしい仮面の姿に恐れおののき、激しい嵐も相まって、悪魔が襲ってきたと思って日の出までに街から逃げ出したとされる。
引用元:ブショーヤーラーシュ – Wikipedia
もうひとつの伝承では、ブショーはオスマン帝国のトルコ人を脅かすためではなく、冬そのものを脅かし追い出すためのものと伝えられる。
どちらにしても、このお祭りの起源は「自らの土地に迫ってくる何かを脅かして追い払う」目的に始まっているようですね。ブショーの見た目は本当になまはげそっくりです。日本の子供たちは「なまはげ」を見ると泣き出してしまいますが、ハンガリーでは子供のブショーもいるので可愛らしいほっこりしたイベントといった印象をうけますね。
「ブショーヤーラーシュ」を感じる風景
ハンガリー南部の街モハーチ
モハーチの歴史上で最も有名なのは「モハーチの戦い」です。この戦いは1526年にハンガリーのモハーチ平原で行われたハンガリー王国軍とオスマン帝国軍の戦いです。この戦いでハンガリーは負けてしまい、オスマン帝国が勝利したそうです。そのため、この当時ハンガリーでは、ハプスブルク家が統治したハンガリー王国と、東ハンガリー王国、オスマン帝国領ハンガリーの3つに統治が分割された歴史があります。
こうした歴史を辿ると「ブショーヤーラーシュ」の伝承は「オスマン帝国の兵士を追い払うため」が有力に思えてきませんか?・・・モハーチの町自体あまり大きくはありませんが、そのぶんゆっくりと流れる時間を楽しめる町といえるでしょう。




食文化
ハンガリーでよく食べられているのは、やはり「肉」です。それと合わせて野菜や果物、チーズや蜂蜜、焼きたてのパンなどが食べられています。また、有名なのはパラチンタと呼ばれるクレープのように薄いパンケーキがあり、パンケーキの生地の中に肉や魚、野菜などを包みスープやソースをかけていただきます。日本で想像するような甘いパンケーキではなく、主食として食べられているんですね。


レストラン情報
地元民も愛する美味しいハンガリー料理「Bajor Söröző és Étterem」
料理もサービスも大満足「Soul Kitchen」
最後に
ハンガリーはとても魅力的な国です。実際にハンガリーに訪れて、なまはげとの違いを見つけてみてください。そして、ハンガリーの子供たちがブショーに扮した姿をみて癒されてください。モハーチの長閑な空気でリラックスした休日を過ごしてみるのも特別な旅行気分を味わえると思います。